高校生最後の季節


進路が決まった人決まってない人

まだそれぞれで


「菊池さん、冬休み中にたくましくなったね」


「でしょ!
レンレンもキックボクシング始めない?
そしたら卒業しても会えるし♡」


「そーだね、楽しそうだし
考えておく」


「私の紹介だったら入会金無料だから」


相変わらず理央は
保健室の佐伯先生のことが好きだ


佐伯先生は女性だからか
それほど嫉妬はないけど

それでも多少妬ける


だってすごく仲がいいから


春から佐伯先生にも会えなくなる


そーか…

キックボクシング始めたら
理央に毎日会えるのか


監視にもなるし…


監視とか
理央を信じてないわけじゃないけど

自分に自信のないボクは
どーしても気になって


「ボクもキックボクシング始めようかな」


「え?武頼が?」


「ダメかな?」


「ダメじゃないけど
うちのフィットネスクラブは女性限定だから…」


「え!?そーなの?」


「知らなかった?
スタッフもみんな女性」


「理央をスカウトした社長は?」


「女の人だよ!めっちゃ美人」


ずっと男だと思ってた


「伊田くんボクシング興味あるなら
天ヶ崎(あまがさき)くんが通ってる
ボクシングジムどお?」


「あ、いいね!武頼そーしなよ!
天ヶ崎先輩、女子には優しいから大丈夫
あ、武頼は女子じゃないか…ハハハ…」


天ヶ崎くんとは
理央のボクシング部の先輩で

佐伯先生のカレシ


卒業してから付き合ってるらしい


「いや、そこまで本格的には…」


理央に会いたい為の口実が
ボクシングジムに入会する方向にいってる


あの人に殴られたら
ボク死ぬと思う


とりあえず理央のフィットネスに
男がいなくて安心した