兄の好きな人 第一部

「本当にもう…帰ってこないの?」







「…」







裕子が俺のことを許してくれたとしても
俺は裕子の側にはいられない






この気持ちが消えることはないから







裕子を苦しめ続けてしまう










「俺は裕子の思い出の中に綺麗なままでいたいんだ。






だから…






もう会わない方がいいんだよ」








そう必死に自分に言いきかせていた