─落花流水─キミの片隅より

 結果は瑞樹が言う通り岬さんが1位だった。

会場を出ると瑞樹はスマホのタイマーを確認した。

「僕はもう少しここに居るから真琴は先に帰ってもいいよ。夕食の準備があるでしょ?」

「もうどのくらい時間残っているの?」

「15分」

「わたしも一緒に居るよ。夕食の準備はしてきたし」

「それなら」

 瑞樹は1秒でも長く岬さんを見ていたいんだ。

けれどそれにわたしをあまり付き合わせては悪いと思っている。

「瑞樹、わたし岬さんが出てきたら声掛けてみようかな。

これをきっかけに岬さんと仲良くなれば瑞樹のことも話せる」

「真琴には面倒で退屈な思いばかりさせてしまう。

それでも真琴にお願いしないという選択はできそうにもないよ」

「面倒でも退屈でもないよ。岬さんの演奏を聴けて良かったよ。

瑞樹、わたしをここに連れてきてくれてありがとう」

そんなことを話していると会場から岬さんが出てきた。