放課後、理斗君と雑貨屋さんに行くとカフェに寄った。
新しくできた雑貨屋さんには可愛いものがたくさんあったけど、どれも高くてわたしの手には届かないものばかりだった。
「ねぇ理斗君」
「ん?」
「イルミネーション見に行こうよ」
「いいけど、もうすぐ期末考査あるのに大丈夫か?」
「えっ…」
「中間も赤点ギリギリが3教科もあったし60点越えたの国語だけだったし」
「期末もそんな感じでなんとか乗り切るよ」
「はぁ…」
理斗君は呆れたような声を出すと、鞄の中から数学の参考書を取り出しわたしの前に置いた。
「げっ」
「げっじゃねぇ勉強しろ。イルミネーションは期末が終わってからな」
「はい」
カフェを出ると理斗君が家まで送ってくれた。
外は雪が降りそうなほど寒い。
顔の前で手をこすり合せていると理斗君がカバンからなにかを取り出した。
「ほら、これお前にやるよ」
そう言って差し出したのは手首のところにファーが付いたアイボリーの手袋。
「えっ可愛い!誕生日でもなにかの記念日でもないのにプレゼントしてくれるの?」
「必要そうだったから」
「ありがとう、この手袋理斗君が選んでくれたの?」
「お前ベージュのコート着てるからその色がいいと思って」
わたしはさっそく手袋を付けた。
「中ふわふわだぁ。それにこのコートとも合ってる。ねっ理斗君合ってるよね?」
顔の脇に両手を持ってくると手のひらを理斗君に向けた。
理斗君は笑顔で返事をくれる。
「あぁ」
わたしは嬉しくてもう一度手袋を見た。
けれど、こうして嬉しいことがあるたびに同時に悲しい気持ちに襲われた。
2年後にワープできたらいいのに、なんて叶わないことを思ってしまうんだ。
新しくできた雑貨屋さんには可愛いものがたくさんあったけど、どれも高くてわたしの手には届かないものばかりだった。
「ねぇ理斗君」
「ん?」
「イルミネーション見に行こうよ」
「いいけど、もうすぐ期末考査あるのに大丈夫か?」
「えっ…」
「中間も赤点ギリギリが3教科もあったし60点越えたの国語だけだったし」
「期末もそんな感じでなんとか乗り切るよ」
「はぁ…」
理斗君は呆れたような声を出すと、鞄の中から数学の参考書を取り出しわたしの前に置いた。
「げっ」
「げっじゃねぇ勉強しろ。イルミネーションは期末が終わってからな」
「はい」
カフェを出ると理斗君が家まで送ってくれた。
外は雪が降りそうなほど寒い。
顔の前で手をこすり合せていると理斗君がカバンからなにかを取り出した。
「ほら、これお前にやるよ」
そう言って差し出したのは手首のところにファーが付いたアイボリーの手袋。
「えっ可愛い!誕生日でもなにかの記念日でもないのにプレゼントしてくれるの?」
「必要そうだったから」
「ありがとう、この手袋理斗君が選んでくれたの?」
「お前ベージュのコート着てるからその色がいいと思って」
わたしはさっそく手袋を付けた。
「中ふわふわだぁ。それにこのコートとも合ってる。ねっ理斗君合ってるよね?」
顔の脇に両手を持ってくると手のひらを理斗君に向けた。
理斗君は笑顔で返事をくれる。
「あぁ」
わたしは嬉しくてもう一度手袋を見た。
けれど、こうして嬉しいことがあるたびに同時に悲しい気持ちに襲われた。
2年後にワープできたらいいのに、なんて叶わないことを思ってしまうんだ。