理斗君にそう言われちひろが瑞樹のケーキに顔を近づけた瞬間、突然強い風が吹いた。
あまりの風にみんな下を向く。
風が通り過ぎ、顔を上げると全員声を揃えてその名前を口にした。
「瑞樹……」
瑞樹のケーキのろうそくはすべて消え、ちひろのケーキの上では3本のろうそくが揺れている。
わたしたちは風が通り抜けた先を見た。
「絶対今の瑞樹だよね」
葵ちゃんが晴君にそう言うと、晴君はうなずいた。
ちひろは「やっぱり瑞樹は僕が頑張ってもできないことを簡単にやっちゃうから嫌い」そう言って自分のケーキに顔を近づけると勢いよく3本のろうそくを吹き消した。
そんな様子を見てみんなが笑っている。
わたしは瑞樹の言葉を思い出していた。
"風はどう?"
"風ならずっと一緒にいられるよ"
瑞樹は本当に風になったんだ。
いつだって風が吹いたらそれは瑞樹なんだ。
瑞樹はいつだってわたし達のそばにいる。
大きな木が揺れている。
草も野花も揺れている。
わたしは空を見上げた。
青い空に浮かんだ雲は、風に流されどんどん形を変えていく。
なんだ、どこを見ても瑞樹がいる。
あまりの風にみんな下を向く。
風が通り過ぎ、顔を上げると全員声を揃えてその名前を口にした。
「瑞樹……」
瑞樹のケーキのろうそくはすべて消え、ちひろのケーキの上では3本のろうそくが揺れている。
わたしたちは風が通り抜けた先を見た。
「絶対今の瑞樹だよね」
葵ちゃんが晴君にそう言うと、晴君はうなずいた。
ちひろは「やっぱり瑞樹は僕が頑張ってもできないことを簡単にやっちゃうから嫌い」そう言って自分のケーキに顔を近づけると勢いよく3本のろうそくを吹き消した。
そんな様子を見てみんなが笑っている。
わたしは瑞樹の言葉を思い出していた。
"風はどう?"
"風ならずっと一緒にいられるよ"
瑞樹は本当に風になったんだ。
いつだって風が吹いたらそれは瑞樹なんだ。
瑞樹はいつだってわたし達のそばにいる。
大きな木が揺れている。
草も野花も揺れている。
わたしは空を見上げた。
青い空に浮かんだ雲は、風に流されどんどん形を変えていく。
なんだ、どこを見ても瑞樹がいる。