夕食の後片付けが終わるとお風呂に入ってご飯を食べた。

できるだけなにも考えずに淡々と過ごした。

時間が来て部屋に行ったとき、瑞樹がいたら絵を完成させて、瑞樹がいなかったらスケッチブックを持ち出す。

ただそれだけを頭に浮かべた。

食事が終わると時間まで自分の部屋で過ごした。

ここまではすべてが今までとなにも変わらない。

これで瑞樹の部屋に行って瑞樹がいつものソファーに座っていれば、本当にいつもと変わらない。

時間になり、部屋を出ると瑞樹の部屋の前に行った。

ドアノブに手を掛ける。

いつもなら簡単に開けるのに、今はそれができないでいる。

狭いどこかに閉じ込められてしまったかのように息が苦しい。

手首に重りを付けられたかのように力が入らない。

誰かが階段を上ってくる音がする。

早くドアを開けなきゃ───。

目を瞑ると手にぐっと力を入れ、ドアを押し込むと中に入った。