わたしは岬さんの近くに行くと椅子に座った。

「もしも瑞樹になにか伝えることができるとしたら、伝えたいことってある?」

岬さんはしばらく黙ったままだった。

外からは生徒達の賑やかな声が聞こえてくる。

わたしは机の落書きをじっと見ていた。

岬さんは下を向いたまま呟くように話す。

それは、外から聞こえてくる生徒達の声にも負けてしまいそうなほど小さな声だった。

「瑞樹はわたしのせいで死んだの……わたしが瑞樹を死なせてしまった……」