「僕、羨ましかったんだ。瑞樹と岬ちゃんはずっと両想いだったから」

ちひろはなにも知らないみたいだった。

「そうだね」
「うん、じゃあそろそろ行くよ」
「うん、わかった」

文化祭も終わりの時間に近づき、教室には生徒達が戻ってきている。

ちひろは笑顔で手を振ると教室を出ていった。