透明な君と、約束を


「実にいい男だな」
「いい男ですよ。
まだデビューしていないのに人気ありますし。
学校でもファンの子達が結構いたりするので」
「その上知世の、実は子供じみたり弱気な部分もわかってるし。
すぐに謝り甘い物を準備して去り際に渡す周到さ」
「すみませんね、私の外と中が違って。
颯真は子供っぽいですけどあぁ見えて優しいんですよ。
私が緊張してたのがわかってたからくれたんだと思います」

思わず口をとがらすと、笑われてしまった。

「うん、お兄ちゃんとしては知世にはそのまんま大人になって欲しいなぁ」
「それ少なくとも褒めてないですよね?」

鹿島さんはただ笑って私の頭を撫でると、外で待ってるなと消えてしまった。
私はいまいち納得出来ずに着替えをするためにビルに入った。