「アーシュラ様は凄いわね! 堅物ローランをこんな風に篭絡しちゃったんだもの。それに引き換えローラン。修行が足りてないわよ」


 今ので頭が冷えたらしい。ローラン様は苦々しい表情を浮かべ、わたしのことを解放する。

 少しだけ――――いや、本音を言えばめちゃくちゃ残念だ。
 アーシュラ様一生の不覚。頭が冷える前にさっさと転移しておけばよかった。


「――――――分かっています。だからこそ、結婚式の日取りを早めようと動いているわけで」

「そうなの!?」


 思わぬ真実。問いかけに、ローラン様は静かに頷く。
 嬉しい。喜びに胸が打ち震える。


(ちゃんと、同じ気持ちだったんだ)


 そうと分かっただけで気分が全然違う。


「好きです! 結婚してください!」


 もう何度目になるか分からないプロポーズ。抱き締めながらそう言えば、ローラン様は苦笑を浮かべた。