「一体何を企んでいるかは分かりませんけど、自分を大切にしてください。こっちのメニューの方が、あなたは好きでしょう?」

「うん…………好きぃい!」


 料理じゃなくてローラン様が。
 好き。めちゃくちゃ好き。大好き。


「だけど、だからこそ、わたしにはこっちの料理が必要なんです」

「必要? 何故? 何の変哲もない鶏肉料理なのに。栄養的にもこちらの方が良いでしょう?」


 真面目で誠実なローラン様らしい返答。どうやら、追及の手を緩めてくれる気はないらしい。


「――――――ローラン様、グラマラスな女性はお好きですか?」

「はぁ!?」


 わたしのセリフに、ローラン様は目を見開いた。顔が真っ赤だ。


(やっぱり好きなんだ)


 ぺちゃんこの自分の胸を見下ろしつつ、わたしはそっとため息を吐く。