嘘も孤独も全部まとめて

「とりあえず医者行くぞ」


また腕を掴まれる。


「だからいいって!ほっとけよ、うるさいな!」


手を払い除けた瞬間、反射的に両手で顔をガードした。


…あれ…?


両手の隙間から男を見ると、あたしの方を向いたまま立っている。

殴られると思っていたのに、何もされなかった。

それで気が緩んだのか、立っていられなくなってその場に座り込んだ。


「…訳ありか?」


「……」


「とりあえず、俺ん家に来るか」


答えないでいると、男もあたしの前にしゃがみ込む。