誰かが侵入している気配はない。

ふと足元を見ると、アイツの靴がなくなっていた。

靴を脱ぎ、部屋に入って電気を点ける。

するとベッドの上にアイツが着ていた俺のシャツが置いてあるだけだった。


…どこに行った?


安藤からまだ何も聞いていないが、何かしらの補導歴はありそうな奴だ。


繁華街か…。


ここから一番近い繁華街に居る可能性はゼロではない。

時計を見上げると六時前。

今から繁華街に向かえば、出勤時間に間に合わなくなる。


……どうする…。


スマホを取り出し、電話をかけた。