「ん…」


雀の音で目が覚めた。

ボーッとして頭が働かない。

上半身を起こして部屋を見回し、今の状況を整理する。


あれ…、あたし…。


壁掛け時計を見上げると、九時を過ぎていた。


居ないじゃん…。


部屋の中を見回しても男が居ない。

ベッドから下りて廊下やトイレ、浴室を覗いたけれどどこにも姿はなかった。


どこ行ったんだ、アイツ…。


部屋に戻り机の上を見ると、昨日男が買ってきてくれた食べ物と飲み物が袋のまま置いてある。