嘘も孤独も全部まとめて

「おい、こんな道端で何やってんだ」


突然、別の男の声が聞こえた。

その瞬間、あたしの上に居た男が慌てて逃げだす。


「おいっ!待て!」


上半身を起こすと、走って逃げた男を何人かの男が追いかけるのが見えた。


助かった…。


体を起こしたからか、鼻の奥から血が流れ出てくる。

生温い鉄の味が喉の奥に拡がって、その場に唾を吐いた。

それでも気持ち悪さは取れなくて。


うがいしよ…。


公衆トイレを探そうと立ち上がった。