「あたしね、透と出会えて本当に良かったって……そう思う。透に出会わなかったら、今でも男の人に足開いてその場限りの生活続けてたかもしれない。一人で夜を過ごさないといけない時とか、ものすごく寂しい時もあるけど…。だけど、あたしのために頑張ってくれてるんだって思ったらあたしも頑張れるから……。だからね……これからもよろしくお願いします」


ぺこりと頭を下げる杏里紗。


「ははっ…」


なぜだか笑いが込み上げる。

視界も揺らぎ始めてきた。

まさかこんなに涙腺が緩むとは。