嫌じゃない。

だけど、あまりにも距離が離れ過ぎていて。


「あたしのことなんか、興味ないと思ってたのに…」


「ってことは、サプライズ成功かな」


「サプ…ライズ…?」


「実は杏里紗に内緒で母親に打診してみたんだ。娘の結婚式に来ませんか、って」


「何だよそれーっ…。お母さんに会ったの…中学の時以来だよ…」


次々涙がこぼれる。

三年振りの再会。

久しぶりに見た母親はやつれていた。

それでも、昔あたしを見ていた時のような冷めた眼差しじゃなかった気がするのは、あたしの中での母親像が美化されたんだろうか。

母親が来てくれた。

それだけで、何かが吹っ切れた気がした。