――ずっとこのまま居たいな…。


杏里紗の肩に顔を埋める。

強く抱き締めると壊れそうなほど華奢な体。

食は細くないのに一向に太らない。


「もう少し太ればいいのに…」


そう言って脇腹に触れたら、顔にお湯を掛けられた。


「――っ…」


「今から太ったら、せっかく決めたドレスがムダになるじゃん!」


いや…。

そういう意味じゃないんだけどな。


「もうちょっと肉付きいい方が、抱き心地がいいってこと」


抱き締める腕に力を込めると、俯いたまま黙り込んでしまった。