「へへっ…、そうだった。行く」


「早く帰ってくるから、何も事件が起こらないように祈っといて」


「ん、分かった」


「俺も書いとくから、杏里紗は出掛ける準備しとけよ」


「はーい」


杏里紗の頬を撫で、もう一度キスをした。


さて……と。


杏里紗の代わりに椅子に座りボールペンを持つ。

もう一度この紙を書くことになるなんて、想像もしていなかった。


……今度こそ、ちゃんと守ってやらないとな…。


背中を向けて用意をする杏里紗を見て、決意を新たにした。