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何とか日付が変わる頃に被疑者を検察庁に送検し、自宅へ帰る。


丸二日…か。


当直勤務もあるし、残業でそのまま職場に泊まり込むことも当たり前。

今回みたいに、何日も職場と現場の往復だって日常茶飯事。


違う部署に異動ってのもアリかな。


刑事課という仕事に誇りは持っているけれど、何かを犠牲にしてまで…というのは、もうなくてもいいかもしれない。


杏里紗に相談してみるか…。


自宅に着き、玄関を開けて違和感に気付いた。


「杏里紗?」


部屋の中が真っ暗だ。