「何された?」


「…胸を……触られたって。様子、変わりませんでした?」


帰ってきてからアイツと下着屋行って、ファストフードで飯食って、それから……安藤に呼び出されて…。


『安藤さんのところにだけは行かないで』


杏里紗の泣き顔を思い出す。

同期だし気を遣うこともないからよく一緒につるんでいたけれど、杏里紗が大事だと気が付いたからには関係も見直さないといけない。


で、それから晩飯の材料を買いに行って、帰って作って…。


「……特に変わった様子はなかったけどな」


腕の中で何度も俺の名前を呼ぶ杏里紗の姿を思い出し、必死に頭から煩悩を追い払う。