もう、このまま出勤か…。


腕時計を見ると午前四時。

逮捕してから、やはり丸一日かかってしまった。


アイツ…ちゃんと飯食ったのかな…。


何も持たない杏里紗とは、本人と直接会う以外連絡する手段がない。


ま…合鍵もカードも渡してるし、大丈夫か…。


離婚して、誰かのことなんて考えることもなくなっていたから、こんなにも家が恋しいと再び思えるようになったなんて自分でも信じられない。


今日はちゃんと家に帰れるかな…。


そう思いながら職場へ向かった。