「悪い。今、職場の奴からずっと張ってた被疑者が動いたって電話があったから、行ってくる」


「すぐに帰ってくる?」


「取っ捕まえたらそこから捜査が始まるから、最低でも丸一日は戻ってこられないかもな」


ああ…。

じゃあ、これが最後の別れなんだ…。


「しばらく一人にするけど、飯はちゃんと食えよ」


あたしの頭を撫でると服を着始める因幡さん。


離れたくない。


眠気が一気に覚め、頭の中で往生際の悪いあたしが一生懸命叫んでいる。