そうだよな……。

皆自分のことに必死なんだ。


手を差し伸べてくれる人は、やましい考えがある人間かよっぽどの善人だけ。

因幡さんは後者だったけれど、そんな奇特な人滅多に居ない。


多くを望むから、罰が当たったんだ…。


自分の服は因幡さんの部屋に置きっ放し。

あたしが着ている服は因幡さんのTシャツのみ。


……これからどうしよう…。

あの部屋に帰っていいのかな…。


そう思ってその場をウロウロしていたら、ポンと肩を叩かれた。