事件にすると大事(おおごと)になるので、警察官に来てもらって拘束してもらった後、相手の両親に電話をして迎えに来てもらった。

被害届も出さず離婚手続きも済ませ、荷物も相手の両親に任せて、逃げるように今の場所に引っ越してきた。

あれだけのことがあったのに、俺の頭の中に浮かぶアイツの顔は高校の頃のひまわりみたいな満開の笑顔。


……恋愛なんて…。

……結婚なんて、するものじゃない…。


頭からシャワーに打たれ、排水溝に流れていくシャンプーの泡をジッと見つめた。