「お前はまだ充分お子様だよ」


両手が解放されたかと思うと、後頭部をぐいっと引っ張られ因幡さんの腕の中に飛び込んだ。

広い胸に包まれ、心臓が大きく跳ねる。


「お前はまだ十七だ。これから二十(はたち)を過ぎて色んな恋愛も経験するかもしれない。その時に、あんなことしなけりゃ良かった…。そんな風に後悔してほしくない」


頭の上から降ってくる声。

あたしはこんなにドキドキしているのに、因幡さんの心臓の音は穏やかで。

あたしの裸を見ても本当に何も感じないんだと思った。


「だから自分のこと大事にしろ」


頭を撫でる因幡さんの手を振り払い、ベッドに飛び込んだ。