あーもうっ!

あのキモデブ親父、マジでムカつく!!


イライラが収まらず、地面を蹴飛ばす。


「───ったぁ…」


コンクリートに親指の先をぶつけてしまい、余計に腹が立ったのと痛いので近くに置いてあったゴミ箱を蹴飛ばした。

表通りから入った路地裏。

ここは人が通り抜けるような場所じゃないから、やりたい放題。


「ねー、こんなとこで何やってんの?」


ほら、こうやってすぐに声が掛かる。


「あたし、家がないの。泊めてくれる?もちろん、タダとは言わないから」


少し屈んで、シャツの胸元を引っ張ってみせた。