輝く金の髪に、緑がかった蒼の瞳。
 手足は長く、しなやかな身体には筋肉も程よく
ついていてスタイルの良さもピカイチだったが。
 そんな彼に抱かれて踊っても、ロザリンドの心は踊らない。


『乙花』はR15の異世界ファンタジーラブストーリーなのに、ランドールの色気も言動も、そこから逸脱しそうな予感がしているロザリンドだった。


 自分が未成年のオスカー相手に、その逸脱を企んでいた癖に
『けしからん色気野郎め』と、腹立たしい。


 この放蕩小僧が不埒な真似に及びそうになったら、父と義兄が助けに来てくれるはずだ。
 だから、大丈夫。
 そう思いたいのに、余裕の微笑みをかましてくるランドールに不安を覚えていた。


 もうすぐ、もうすぐ曲は終わる。
 そしたら、直ぐにでもここから離れて……
 と、思った瞬間、彼女は抱き上げられた。



 視界が急に変わり、何が起こったのか理解が追い付かなかった。
 ランドールの甘ったるい声が頭上から聞こえた。


「ふたりきりになれるところに行こうか」