原作者の私ですが婚約者は譲っても推しのお義兄様は渡しません!

 お姉様方は、強さより弱さを見せる少女の姿を望んでいらっしゃるだろうから。
 同情と言う名の蔑みで、私に対しての風当たりは少しは弱くなるだろう、と読んだのだ。


「そうだったんですね……
 私、何も知らなくて」

「お可哀想なロザリンド様。
 ノース様とは、お会いになっていらっしゃらないの?」

「そうなんです……」

 答えたロザリンドの声は弱々しく聞こえたが、それは嘘だった。
 昨日もウェズリーはコルテスの邸へ遊びに来て夕食を共にしていた。


 学苑では恋人と仲睦まじく過ごしているようだが、ウェズリーのロザリンドに対する態度は以前と変わりなく、お姉様方から教えてもらうまで
ロザリンドは彼の浮気に気付いていなかった。