原作者の私ですが婚約者は譲っても推しのお義兄様は渡しません!

 逆ハーレム要員と、教えてしまって気を悪くしたのだろうか。
 彼等は振り返りもしなかった。


 優しくしてくれた彼等には、自分なりの誠意を
みせたつもりだった。
 それなのに、イケメン達が自分を見る目は
『イタいモノ』を見る目だ、と感じた。



 長い夏休みになった。
 去年はウェズリーが週に2回はあちこちへ連れ
出してくれた。

 まだ恋人同士ではなかったからキスは勿論のこと手を繋ぐこともなかったが、両片思いの微妙な
距離の甘酸っぱい関係にドキドキして、会える
日の前夜は眠れない程だった。
 その彼とも夏休み前にお別れしたので、当然
お誘いはもう無い。


 記憶が戻る前のミシェルが行っていた孤児院や
救貧院への慰問(という名のお手伝い) も、何の
見返りもないことに気付いて、行くのをやめた。
 それに加えて平民だった頃に親しくしていた友人達も、この先を考えたら余計な関係だ、と切ることにした。