前世では男子高校生など眼中になかったのに。
 年齢より大人びたオスカーの色気にやられている……

 しかし、ロザリンドに転生した以上、義兄とはどうにもならないことはわかっていた。
 彼はいずれ、ヒロインのミシェルのモノになる。 


 だから……それまでは。
 義妹の立場で、許される範囲ギリギリまで。
 この立場を楽しもう!


 ウェズリーが泣きそうな顔でこちらを恨みがましそうに見送っているのには気づいていたが、
ウェズリーなんてどうでもいい。
 所詮、彼だってモブなのだ。

 自分が産み出したキャラなのに。
 オスカーのような愛着はない。
 ミシェルの周りでふらふら侍っているモブのひとりだ。



 書き下ろしの小説だった。
 担当のミカミが力を入れてくれて、打ち合わせは小まめにした。

『最初はテンプレで、引っ張りましょう』と、
ミカミが言ったのだ。