「彼には貴女が転生したホナミちゃんだ、と伝えていないの。
 この世界を作ったのは原作者の貴女だけじゃない。
 マンガを描いた私と編集を担当したミカミさんと3人のチームだったのよ?
 貴女1人が責任を感じる必要はないの。
 オスカーだって、それはわかっている。
 彼が恨んでいるのは、決して貴女じゃない。
 彼を支えたいなら、彼と生きていきたいなら。
 貴女も正直になってあげてね」

「私……オスカーに打ち明けます」

「今夜、彼はウチに来て貰うことになってる。
 貴女が一緒に来てくれてもいいけれど、オスカーは完全に私達を信用しているわけじゃないの。
 貴女を巻き込みたくないと思っているかもしれないから、その前に教えてあげたらいいんじゃないかな?
 守られるだけのロザリンドじゃないんですよ。
 一緒に戦う気満々のホナミですよ、って」


  ◇◇◇


 昼休みが終わり、午後の授業の予鈴が鳴る頃
アビゲイルと別れた。
 彼女はこのまま王城へ行き、王太子殿下の執務
が終わるまで待つのだ、と言う。