ひとりで死んでしまったケリーが悲しくて。
 彼女が一番辛かった時に側に居てあげなかった
自分。
 この遺された子供をケリー・アンの分まで愛そうとしていた。



「私の……ケリーの子供を引き取りたい、と言った私のわがままが貴方を苦しめることになるなんて」

「君のせいではない。
 俺もケリーの為と言いながら、打算もあった。
 オスカーを手にしたら国王陛下はこちらに大きく出られない。
 将来オスカーがこの家を継いだ時、オブライエン家は公爵位を賜るのではないか、と夢を見た」


 クライドがそう言っても。
 結局オスカーとロザリンドにも、その皺寄せは訪れる。
 幸せになれるはずのふたりの先行きが怪しくなり始めた事にアメリアは震えた。


 クライドが抱き寄せてくれたが。
 アメリアの心の震えは止まらなかった。


「明日の朝、ふたりには話そう。
 本人達にも状況を理解して、行動してもらわないといけない」