約束の18時になる前に訪れた友人をグレンジャーは歓迎した。

 昨日とはまるで別人のように晴れやかな表情をしたオスカーは、噂の義妹をエスコートして現れたので、なるほどと思ったけれど、自分からは何も聞くまい、と瞬時に判断した。

 友達だから遠慮しない主義のグレンジャーだが恋愛系に関しては、ずけずけと踏み込みたくなかったからだ。



 オスカーは兄ダンカンとのあらましを簡単に説明して、先程解決したので夜の仮面祭りには行かないのだ、とグレンジャーに語った。
 時間を取らせて悪かった、とその余りにもかいつまんだ大雑把な説明に、ロザリンドは少し驚いたが、当のグレンジャーは
『了解』と、こちらも簡単に返したので、男同士って楽でいいな、と思った。


「あ、それと……ミシェル嬢は俺の義姉になるみたいだ」

「え? 何や?」


 この情報には、さすがのグレンジャーも驚いたようだ。



「兄貴がプロポーズして、それを彼女が受けた、というか。
 そうなるように上手く仕向けた、というか」