【完】永遠より長い一瞬を輝く君へ


振り返れば、転校生の小坂が立っている。


思いがけない登場に俺は目を見張る。


「なんでここに」

「大変だったんだよ、君を見つけるの」


小坂は、驚く俺を差し置いてにこにこと得意げに笑っている。


「昨日ぶりだね」

「まさか……転校してくるなんて驚いた」

「約束したじゃない。また明日って」

「でも俺がこの高校なんて一言も……」

「ふっふっふ。それはね、榊くんがここの制服着てたからです」


まるで謎解きでもしているみたいに、小坂は人差し指を立てて楽しそうにしている。


なんで名前を知っているのかと一瞬不思議に思ったけれど、SHRの時の出欠確認に担任に名前を呼ばれたからかと心の中で納得する。