ずっと、好きなんだよ。

と自分の胸に問いかけた、その時だった。



「ふぇっ?」



聞こえた。


鼓膜が震えた。


間抜けな声が聞こえた。


授業中船漕ぎばかりして


目障りだったのに


なぜか心配して見ていたアイツの姿が浮かんだ。


いや、違う。


ここに、いる。


いるんだ。



「幻想...?」



......バカ。


何言ってんだよ...。


本気で心配したのに、


いつもいつも、


朽木奈和ってヤツは、


なんでこうも...


バカなんだ...。



「何寝ぼけたこと言ってんだ?!大丈夫か?!」



瞳の奥でじわじわと湧いてきているものをどうにか振り払おうとしたら大声が出た。


嘘でも、幻想でも、ない。


ここに確かに、


アイツがいる。


そう分かって、


止められなかった。


流星が頬をなぞった。


朽木がふっと笑い、腕を伸ばす。


オレの頬に朽木の手が触れる。


星をなぞるように、掬っていく。



「お誕生日...おめでと」



パンっと水風船が割れるような音が聴こえた。


オレの胸を覆い尽くしていた得体の知れない何かが雲散霧消した。