ずっと、好きなんだよ。

長く続く石段を上りきったところに宮森神社の境内はある。


たくさんの出店があり、2年前よりも盛り上がっているように見える。



「わぁ!すごい!美味しそう~」



趣味は食べることと寝ることと公言している夏音が真っ先にたこ焼きの屋台へと突進していく。


オレは財布を出した。


今日下ろし立ての1000円札が綺麗に10枚入っている。


オレは1枚出して1船購入した。



「ありがと、れおくんっ!あふっ!ん~、おいひぃ~」



熱々のたこ焼きを口いっぱいに放り込み、グルメリポーターばりに美味しそうに食べている。


こんなにも美味しそうに食べる人をオレは知らない。


たこ焼きも夏音に食べてもらって嬉しそうだ。



「あ、あっちのパンケーキも美味しそう~」



ん?


パンケーキ...?


もしやと思い、夏音が指差す先を見たが、彼女はいなかった。


だが、パンケーキの出店は他にないし、あそこで間違いないはずだ。


いないなら、いないでいい。


というより、いない方がいいんだ。


会っても気まずいだけ。


今さら何を話せばいいかも分からない。


ならばいないうちに買ってしまおう。



「オレ、買ってくるから夏音はここで待ってて」


「いやぁ、申し訳ないですぅ。よろしくお願いしまぁす」



言いながらもパクパク食べ続ける夏音を尻目に、オレはパンケーキの列に並んだ。


列が出来ているのはここだけで恐らく1番繁盛している。


さすがアネキと朽木だ。


2人はある種の強者だからな。