ずっと、好きなんだよ。

美玲さんの日傘にいれてもらい...つまりは相合傘をしながら、私達は亀の歩みで歩を進めた。



「実はね、御曹司の彼との結婚は破談になったの」


「えっ?で、でもさっきカレシがって...」


「高校生の時付き合ってた彼にプロポーズされたの。アメリカ行くって別れたんだけどね、なんかすっごくでっかくなって戻ってきた。ミュージシャン兼レコード会社社長になってて...」


「なんか、すごいですね...。そんなドラマみたいなこと、本当にあるんだ...」



情報量の多さとドラマチックな展開に、凡人の脳は追いつけない。


処理しきれずにショートしそう。


暑さと熱さのダブルパンチでまた目眩がする。



「つい先週まではね、元彼と結婚する気満々で、ほんと今カレの存在なんて綺麗さっぱり忘れてたんだよ。仕事帰りに1人で某イタリアンレストランチェーン店でさ100円ワイン飲んで、ほろ酔い気分になってたところに彼が現れたの。お互いにびっくりした。まさかって思った。でもそのまさか、だった。隣の席に座った彼にぺこってお辞儀してそのままお互いにフリーズしちゃってね。5分経っても微動だにしなかったから、さすがのあたしも心配になって"注文しないの?"って聞いたら...」