自宅から歩くこと10分。


徒歩圏内にある私の職場"おひさまーと"に到着した。


高卒で働きだして3年目。


始業の15分前には到着して着替えを済ませ、レジのおばちゃん...パートの方々の連絡ノートや社員専用のサイトをボロいパソコンで確認し、その時を待つ。



―――コンコンコン。



来た。


ガチャリと音が鳴り、私は背筋を正した。


数秒前までは怪獣のような大声でくっちゃべっていたおば...パートの方々も途端に口をチャックした。



「おっはよ~!」


「おはようございます」



1人スーツ姿で浮いている男性社員。


名前は佐伯正則。


声がバカでかく元ラガーマンだから体も大きくて威圧感ありまくり。


パートさん方も黙らせてしまうこと人は実は本部の人で、おおよそ第1週目に視察にやって来る。


そして今回はサプライズも持ち込んで。


ごほんとわざとらしく咳払いをしたかたと思うと、彼はドアの向こうに話しかけた。



「さあ、入って来たまえ」