ずっと、好きなんだよ。

残された、オレと母さん。


午後から講義のオレは部屋の掃除とレポートをやろうと思っていたが、アネキが気になってそれどころじゃない。


嘘をつかない、なんて嘘だ。


アネキはいつだって、オレと母さんを優先にしてきた。


今回の結婚にはアネキがオレたちに秘密にしていることが絶対ある。


そんくらい、鈍感なオレにだって分かる。


オレは胸のもやもやを一刻も早く取り去りたくて、母さんに疑問をぶつけた。



「母さん」


「なーに?」



入退院を繰り返し、今も薬漬けの母の顔色は前より良くなったと思ったが、今日は入院していた時と同じくらいやつれて見える。


病気が悪化する原因に心因的な問題もあるって何度も担当医から言われているから、オレはそれを心に留めて母さんの負担にならないように振る舞ってきた。


でも今はそんなことを言っている場合ではない。


アネキの結婚はオレたち家族にとっても一大事なのだから。



「なんでそんな顔してんの?」


「えっ?」


「母さん、アネキの結婚を心から祝福出来てないように見える。そりゃオレも相手の話聞いたらアネキが金目当てで近付いてとか、嫌な想像して、なんかもう...わぁってなったけど、だからってアネキの言葉信じられないかって言われたら信じるしかないし...」


「...玲音」



母さんが視線でオレに座るように促す。


オレはふぅっと一息吐いてから腰を下ろした。


少しの沈黙の後、母さんが口を開いた。