ずっと、好きなんだよ。

勝手に推測したり、考えたりしてぼんやりしているうちにオレは朽木を見失っていた。


「な、お...」



赤いランドセルを背負った彼女の姿、


高校時代、後ろの席から見えていた彼女の背中、


20歳になった彼女の後ろ姿...。


どうして...


どうして、なんだ?


思い出すと痛くなる。


苦しくなる。


胸がぎゅうっと締め付けられて動けなくなる。


さーっと頬を生ぬるい何かが伝っていく。


...あ。


そっか。


そう、なんだ。


そう、だった。



忘れたくても忘れられないのは...


特別、だったから。


......好き、だったから。


それなのに、オレは...


傷つけることしか出来なかったから。


小6で離れて


高校で再会して、


事件が起きて、


ずっと溝があって、


でも元に戻したはず。


それなのに、


まだこんなにも大きなしこりがあるのは、


卒業式、


あの日、


アイツを、


朽木を、


奈和を、


笑顔に出来なかったから。


最後の最後まで泣かせてしまったから。