こんなにも強く何かに、誰かに、思いを馳せたことはなかった。


オレの中で忘れられなかった存在があった。


朽木奈和。


オレの初恋の人、


そして...



「奈和はオレの...一番大切な人だ。オレは奈和のことが大好きだ」



本音を...言えた。


やっと、言えたんだ。


きっと、ずっと、想っていたことで、


ほんとは、もっと早く言わなきゃならなかった。


自分のことを見えなくしていた。


奈和のことを傷つけた。


今さらとか、思われても仕方ない。


それなのに、奈和は...



「...うん。ありがとう」



そう言って、笑った。


その笑顔を見た瞬間、


オレは世界で一番幸せなヤツだと思った。


やっぱり、オレには奈和がいなくちゃダメだ。


欠けていたピースがピタリとはまった。


ラストピースは奈和だった。


全身に熱が巡る。


奈和、ほんと、


ありがと。


出逢ってくれて、


想い続けてくれて、


照らしてくれて、


捜してくれて、


ありがとな。