うそとロード


真っ赤になった顔を隠そうとしてると

「ふっふっ。そろそろ行くね。
じゃあ、またね。」

手を振る楓惟。

わたしで遊ぶのをやっとやめてくれたようだ。

ふぅ。手を振りながら去っていく楓惟を横目でみる。

手を振り返したりなんてしない。絶対してあげない。

わたしと楓惟は途中まで一緒に行く。

一緒に登校したなんて知られたら大変だ。

楓惟には女の子のファンが沢山いるのだ。

だから途中でわかれて、ここからは友達と行くのだ。

「一緒に学校まで行けばいいのに。」

「わっっ。」

「心千、おはよう。」

「梨沙ちゃんっ。おはようっ。」

突然現れた梨沙ちゃん。

梨沙ちゃんはわたしの友達で、楓惟と幼なじみのことも知ってる。

「今日も朝からラブラブだね。」

「違う!絶対違うから。

それに絶対一緒に行かないから。」

「えー。そーなの。残念。

…美男美女がセットで見られると思ったのに。」

梨沙ちゃんが何かボソッと呟いた。

「ん?何?」

「なんでもないよー。」

「そう。」