バタン。
喋っている楓惟を置いて勝手に行こうとした。
「心千。なに、勝手に外に出てるの?」
別にいいじゃないか。
そう思ったが、言ったら面倒臭そうなので黙っておく。
「ふーん。」
すると、わたしの手をとってつないだ。
「えっ。ちょっと、離して。」
「ふふっ。手をつないで行こう。
僕たちの関係全校生徒にバレちゃうね。」
手をつなぐような恋人のような関係ではない。ただの幼なじみだ。
そんな誤解をうむようなことしなくない。
「嫌だ。それにそんな関係じゃない。
離して。」
「これはお仕置きなんだよ。
勝手に行こうとするから。」
「一緒に行くなんて約束してない。」
「せっかく待ってあげてたのに。
心千のお母さんも一緒に行くと、思ってるはずだけど。」
腹黒だ。お母さんにバレたら怒られる。それを分かってて言ってる。
