「心千、楓惟くんが待ってくれているんだから早くご飯食べなさい。」 「はーい。」 制服に着替え、荷物を持ってリビングに行くと、お母さんから声がかかる。 「楓惟くん、いつも心千をありがとう。」 「いえいえ。心千がいるととても楽しいですから。」 朝食を食べながらそんな会話を聞く。 楓惟はお母さんから信頼を得ている。 楓惟はお母さんやお父さんの前では礼儀正しい。 正直、「そいつ猫被ってる」と言ってやりた いが、わたしが言ったところで何もないだろ うから言わない。 すごくムカつく。