楓惟side

女の子が草むらの前でしゃがんでる。

「ねぇ。」

「ん?」

こっちを向いた黒のロングヘアーに黒の目の女の子。

わぁ、かわいい。不思議そうにこっちを見てる。

「何?」

「んふふ。ぼくと遊ぼう。」

「いやだ。今、葉っぱ見るのにいそがしい。」

そう言って葉をもう一度みた。その瞬間ふわりと笑った。

かわいい、かわいい。今まで感じたことがない感覚が僕の心に駆け巡った。

初めて会った女の子。

僕の初恋の女の子。

それから僕は一生懸命その子に付きまとった。