結城絢斗先生のお願い




「一人の生徒のために、人前で歌えるよう一生懸命歌を練習するような先生は、好かれて当たり前です。
明樺先生は、素晴らしい先生ですよ。
自信、持って下さい」

「ありがとうございます……」



これは……ちゃんと目を見て言わなければ……。

私は結城先生の視線から逃げるのを止める。



「仕事が忙しい中で…私の歌の練習に付き合ってくれました……。
結城先生も……とても素晴らしい先生です……」



私より年は二つ下になりますが……尊敬しています……。



「そう言って貰えて、とても嬉しいのですが………」



棚から離れた結城先生は私の前まで来て




「歌の練習はもう………終わりなのでしょうか?」



真剣な顔で質問。



「そう……ですね……」



文化祭は終わりましたし……。



「明樺先生!! もっと歌、上手くなりたくありませんか? 練習に付き合いますよ!!!」

「いえ……これ以上……結城先生に迷惑をかけるわけには……」