結城絢斗先生のお願い





「私が助けに行こうかと思いましたが、必要ありませんでしたね」

「はい……」



生徒会長の東条さんや…風紀委員の蓮見さんが私を擁護し……多くの生徒達は私を称賛してくれたんです……。



小重伊(こえい)さんも……。
歌ってくれました……」



小重伊さんは2年B組の女生徒で…誰も居ない教室で素晴らしい歌を歌っていました……。

なので……校内カラオケ大会も勧めたのですが……人前で歌う勇気が出ないと言われてしまいまして……音痴な私が頑張って歌う姿を見せたら…勇気が出るかもしれないと思ったのですが……。

私のために…アカペラで歌ってくれるとは……。



「とても感動しました……。
多くの生徒が明樺先生を好いている事も、小重伊さんの歌も」



実験用具が並べて置かれている棚に寄りかかって立つ結城先生が、私を見つめる。

「多くの生徒が…私を好いてるだなんて…そんな……」



恥ずかしくて結城先生の視線から逃げる私。