「我輩は『抹茶』でありますか。まあ、納得いくであります」
「僕は『オカルト』だって。自覚しているもんな」
「私、『ブルジョア』なんて……嫌みです」
「わ〜い!僕は『お菓子』ですぅ。まともまとも〜」
「私だけ『ノア』のままなんですけど、これでよろしいのでしょうか?てゆーか、同音異義?」
「あんたは基地で待機する世話役だからな。あだ名じゃ呼ばねえよ」

 そう言うと、彼は他の装備についても説明し始めた。探偵団の七つ道具は、転送されていつのまにか身につけているものもあればそうでないものもあるらしい。

「団員には以下のものが支給されるぜ」



七つ道具その②超ひもはしご……結び目に足を引っ掛けてよじ登れば、ブラックホールからでも脱出できる。

七つ道具その③伝書鳩……宇宙レース鳩777型。どこからでも手紙を送れる。

七つ道具その④BGDバッジ……尾行時の目印や重力パチンコの弾として使う。

七つ道具その⑤自転車「ツーリング」号……異空間を走り、時速九十一キロまで出せる未来の自転車。

七つ道具その⑥重力パチンコ……当たると目から火が出る。



「とまあ、こんなとこだ。ククッ……」
「なによ、六つしかないじゃない」
「細かいところにこだわるなよ、『怪力女』」
「いちいち名前で呼ばんでいいっ!」

 また部屋の隅に飛ばされるマルド。

「ねぇ『抹茶』、ガブラは入れないの?」
「なぁに、奴もすぐに入団するであります。これでねっ!」

 彼がどこかから出したラジカセのスイッチを入れた。途端に大音量の胡散臭い音楽が流れる。