「分かったであります!我輩の灰色の脳細胞にピーンと来ちゃったであります!」
「ええっと……言ってることがよくわからないんだけど?」
「心愛のアイスを盗んだ真犯人が分かったでありますよ!冷蔵庫からアイスが突然消えた、これはいわば密室盗難事件であります!」
「だから?」

 チッチッチと舌を鳴らし、人差し指を左右に振る。

「ふっ……初歩的な推理だよワトソンくん。となれば、これは八百面相の仕業に違いないであります」
「強引な推理だけど、なんか面白そう。それでどうする気なの?」

 早くも引き込まれた彼が、ついつい話に乗ってしまう。不気味な含み笑いをするノーク。

「突然ながら、我々が少年探偵団となって真犯人を捕らえるのであります!フッフッフッ、これは是非とも被害者である心愛にも協力を要請し……」

 どうやら何か良からぬ企みが、脳内を駆け巡っているらしい。

「お兄さま。少年探偵団ってどんなのか知りませんけど、ノアもお手伝いしますわ。てゆーか、団体設立?」
「面白そうですぅ〜!僕だってこんな小娘なんかより断然お役に立つですよ!」
「ま、そういうことなら協力してやらないこともないぜ」
「ノアちゃん!ネール!マルド!分かってくれて嬉しいであります!」
「ばかばかしい!俺は絶対に付き合わんぞ!」

 一喝して、ガブラは足音を荒くしたまま部屋から出て行く。ノークはチラッとマルドにアイコンタクトを送った。

(あんなこと言っちゃってるけど、引きずり込めちゃうよね?)
(任せときな、隊長さん。ククッ……)